【詩】 ダリア・セレンコ

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すべてが終わったら
私はすでに大人の女だろう
私の青春は独裁のもとで過ぎ
私の体は愛よりも恐怖に
震えたほうが多い

独裁が終わったら
生き延びたすべての者に新たな若さが訪れる
私たちはバカみたいになって通りを練り歩き
してはいけない場所でキスを交わし
お互いの頬や唇を撫であうだろう 
私たちは引き離されはしないだろう

すべてが終わったら
自分のためにビールを買おう
そして、ゴンチャロフ公園へ行こう
私は泣くだろう いちばん恐ろしかったときにも
泣いたことがないほどの大きな声をあげて

私は草の上に寝ころぶだろう
恋していた男友達が
カミングアウトした
あの日のように
私たちは草のなかに寝ころんで
夜明けの星が次々に消えていくのを見ていた

すべてが終わったら
私たちは家に帰るだろう
でも家は私たちのことがわからず
私たちの匂いも覚えていないだろう

入ることもできずに
私たちは家の敷居で立ちすくむ
恐怖のせいじゃなく
疲れに身を震わせながら

 

2023/4/13